国民年金の問題点

1、国民年金の納付率

2008年度の国民年金の納付率62%と、3年前の2005年と比較して、5.1%も下落しました。

2005年度の国民年金の納付率67.1%

2005年度の国民年金の納付率が67.1%で確定したと発表されました。 保険料徴収業務は2002年度に市町村から社会保険事務所に移管されました。 そのときに納付率は前年度の70.9%から62.8%に急落し、その後もわずかに増えただけでした。

ただし、今回の上昇要因は、保険料免除や若年者向けの新たな保険料猶予制度などで納付対象者が減ったことで、 分母が減り納付率が高くなっただけです。

また、社会保険事務所では、前年度の5倍以上の強制徴収を約17万件実施しましたがその影響はわずかだったようです。

67.1%ということは、つまり3人に1人は国民年金を支払っていないということになります。 それほど年金を支払いたくない人がいるのは、国民年金制度への不安感や払い損だと思う人が多いからでしょう。 そこで本当に損なのかどうか計算してみることにします。

国民年金の保険料を現在の13,860円で40年間払うと仮定すると665万2800円になります。 受け取る年金額は満額で年792,100円です。支払った保険料総額をもらえる年金額で割ってみます。

665万2800円÷792,100円=8.39年

つまり、65歳から年金を受け取れば、9年後の74歳には元が取れることになります。 平均寿命が80歳であることを考えると十分元をとれる計算になります。

しかし、実際の保険料の支払い時期も期間も料金も人によって異なるので、あくまでもこの計算は目安といえます。 何より年金制度自体が今後どう変化していくのか予想がつきにくい面もあります。

<まとめ>

国民年金の納付率・・・2005年度は67.1%とわずかだが上昇した。ただし保険料免除や猶予が増えたことの影響が大きい。


2、国民年金支給額の大幅カット

国民年金は、制度設立当初は、厚生年金と同じ位の手厚い給付を行う事を目 的としていました。しかし、一度破綻を経験してしまったため、昭和61年改革 で、国民年金の給付は大幅にカットされる事となりました。

そのため現在では、満額の国民年金でも夫婦合わせて月々13万円程度にしか ならず、かなり節約をしなければ暮らして行けません。

一方、厚生年金に加入 していた人は、夫婦合わせれば月々23万円程度になり、その程度の年金であれ ば取りあえず住む所と食べる物には困りません。

<まとめ>
一度破綻している国民年金・・・昭和61年改革で、国民年金の給付は大幅にカット。

年金額と年金支給日の繰り上げ支給と繰り下げ支給

1、老齢基礎年金の計算方法と年金支給日

国民年金は原則65歳からの支給になります。 男性で昭和36年4月2日以降、女性で昭和41年4月2日以降に生れた人は65歳以降からしかもらえません。

ただし、60歳から65歳までの間で繰り上げ支給したり、65歳以降に繰り下げ支給したりすることもできます。 繰り上げる場合は、25年間の納付済み期間があることが前提となります。

老齢基礎年金の計算方法
その年の年額の基本額×{(保険料を支払った月数)+(保険料免除月数)×(免除種類によって違う係数)}÷(加入可能年数×12)

老齢基礎年金の年額(平成18年度)
加入期間と生年月日によって一覧表になっています。
加入期間 生年月日
15.4.2?16.4.1 生年月日
16.4.2?
40 792,100
39 792,100 772,300
38 771,800 752,500
37 751,500 732,700
36 731,200 712,900
35 710,900 693,100
34 690,500 673,300
33 670,200 653,500
32 649,900 633,700
31 629,600 613,900
30 609,300 594,100
29 589,000 574,300
28 568,700 554,500
27 548,400 534,700
26 528,100 514,900
25 507,800 495,100

<平成18年年金額>
平成18年の年額の基本額は、満額で792,100円です。加入可能年数は、満額の場合で40年です。 加入可能年数とは、原則40年間の加入年数が生年月日によって短くなる措置のことです。

<平成19年の年金額>
老齢基礎年金は満額で792,100円で平成18年と同じ金額になります。 2007年1月、総務省は、平成18年平均の全国消費者物価指数の対前年比変動率が+0.3%と発表しました。 一方、対前年比名目手取り賃金変動率は0.0%のため、19年度の年金額は名目手取り賃金変動率により改定されたからです。

生年月日と加入可能年数
生年月日 加入可能年数
大正15年4月2日?昭和2年4月1日 25
昭和2年4月2日?昭和3年4月1日 26
昭和3年4月2日?昭和4年4月1日 27
昭和4年4月2日?昭和5年4月1日 28
昭和5年4月2日?昭和6年4月1日 29
昭和6年4月2日?昭和7年4月1日 30
昭和7年4月2日?昭和8年4月1日 31
昭和8年4月2日?昭和9年4月1日 32
昭和9年4月2日?昭和10年4月1日 33
昭和10年4月2日?昭和11年4月1日 34
昭和11年4月2日?昭和12年4月1日 35
昭和12年4月2日?昭和13年4月1日 36
昭和13年4月2日?昭和14年4月1日 37
昭和14年4月2日?昭和15年4月1日 38
昭和15年4月2日?昭和16年4月1日 39
昭和16年4月2日?昭和17年4月1日 40

<まとめ>
・国民年金をもらう年齢・・・原則65歳から。繰上げ繰り下げ支給もある。


2、年金の繰り上げ支給で年金を早くもらう

繰り上げ支給とは、本来65歳から支給される国民年金を60歳からもらうことができる制度のことです。 条件として、25年間の納付済み期間があることが必要になります。

ただし、65歳からもらえる年金の金額より減額された年金を一生涯もらうことになります。 付加年金を払っていた場合、同じ割合で減額されます。

実際には、1ヶ月ごとに0.5パーセント減額されますので、60歳だと5年(60ヶ月)分の30%(0.5%×60ヶ月=30%)少なくなります。

年金の繰り上げ支給金額
=65歳からもらえる年金額×(100?0.5×65歳の誕生日までの月数)%

(例)65歳で年額500,000円もらう人が繰り上げした場合
1ヶ月ごとに0.5%の2500円減っていくから1年ごとに30,000円ずつ減っていくことになります。
・64歳で1年繰り上げ 年額470000円
・63歳で2年繰り上げ 年額440000円
・62歳で3年繰り上げ 年額410000円
・61歳で4年繰り上げ 年額380000円
・60歳で5年繰り上げ 年額350000円

繰り上げ支給では早くもらえる分、年金の金額は減ってしまうので、自分の貯金や健康状態などを相談して決めてください。

年金の繰り上げ支給の注意
1、もし、65歳までの間に障害の状態になったとしても原則、障害年金の請求ができなくなってしまいます。
2、夫が死亡したときに、妻が受けとれる寡婦年金も支給されなくなります。
3、一度繰上げしたら取消しすることはできません。
4、特別支給の老齢厚生年金は支給停止になります(昭和16年4月2日以降の人は、減額された一定の額を併給できます。)
5、遺族厚生年金と遺族共済年金は65歳まで選択になります。
6、厚生年金や共済組合に加入すると支給停止になります(昭和16年4月1日以前生まれの人が対象になります。)

<まとめ>
・年金の繰り上げ支給・・・60歳から可能です。ただし、65歳からもらえる年金額より減額された年金を一生涯もらうことになる。


3、年金の繰り下げ支給で年金を多くもらう

繰り下げ支給とは、本来なら65歳からもらえる国民年金の時期を遅らせることで年金額を多く受け取ることができる制度のことです。 1ヶ月遅らせるごとに0.7%が加算されていきます。

年金の繰り下げ支給金額=
65歳からもらえる年金額×(100+0.7×65歳の誕生日から遅らせた月数)%

(例)65歳で年額500,000円もらう人が繰り上げした場合
1ヶ月ごとに0.7%の3500円増えていくから、1年では42,000円増えていくことになります。

・1年繰り下げすると 66歳で年額542,000円もらえます。
・2年繰り下げすると 67歳で年額584,000円もらえます。
・3年繰り下げすると 68歳で年額626,000円もらえます。
・4年繰り下げすると 69歳で年額668,000円もらえます。
・5年繰り下げすると 70歳で年額710,000円もらえます。
最高70歳まで繰り下げでき、年金額では42パーセントまで増えることになります。

繰り下げ支給では多くもらえる分、もらい始めてからすぐ亡くなったとしても、65歳からもらえたであろう(つまり、遅らせた期間分の)年金はもらえません。

ただし、生存していれば年金の請求時効が5年間なので、65歳までさかのぼって年金をもらうことができます。 その後、本来受け取るはずだった年金額が支給されることになります。

<まとめ>
・年金の繰り下げ支給・・・65歳以降70歳まで可能。65歳からもらえる年金額より増額された年金を一生涯もらうことになる。

年金がもらえる人もらえない人

1、国民年金をもらうための保険料納付済み期間

国民年金の老齢年金を受け取るためには25年間の保険料納付済み期間が必要です。 保険料の免除期間やカラ期間もふくまれます。 ただし、年齢や年金の種類によって25年より短くてもよい場合があります。

■保険料納付済み期間が25年より短くなってもいいケース
・昭和5年4月1日より前に生まれた人
・厚生年金や共済年金だけに入っていた人
・厚生年金に40歳以上(女性は35歳以上)の期間に20年間加入していた人
・船員や坑内員の人

■カラ期間とは
加入期間にふくまれても、年金額に反映されない期間を「カラ期間(合算対象期間)」といいます。 これは国民年金制度が変遷したことで、年金をもらえない不公平な人がでないように考慮して作られた制度です。

■カラ期間の具体例(4ケース)
1、昭和36年4月1日から昭和61年3月31日まで
・サラリーマンの妻で任意加入しなかった人
・20歳以上60歳未満で日本国籍を持ち日本に住所がなかった人

2、昭和36年4月1日から平成3年3月31日まで
・20歳以上60歳未満で学生のときに任意加入しなかった人

3、昭和61年4月1日以降
・20歳未満と60歳以降の期間に厚生年金の被保険者だった人

4、昭和36年4月1日から昭和55年3月31日まで
・60歳未満で国会議員であった人

上のケースにあてはまらない人で、加入期間が足りない場合は、任意加入を選ぶこともできます。

<まとめ>
・国民年金をもらう要件・・・原則25年間の加入が必要である。
・カラ期間・・・加入期間にふくまれる期間。ただし年金額には反映されない。
・任意加入制度・・・加入期間が足りない時に加入することで期間を補える制度。


2、国民年金の任意加入制度

国民年金の保険料を納めるのは、原則60歳までです。 しかし、年金の加入期間が25年にたらず、受給権を獲得できないときや、 年金額を増やしたいときは60歳以降65歳まで加入することを選ぶことができます。

老齢基礎年金は、40年間の加入期間のうち、納めた保険料の金額で決まります。 平成18年度は満額(40年)で792,100円です。 40年の間に未納期間や免除期間があれば、その分、年金額が減っていきます。

任意加入できる年数
また、受給権獲得のための任意加入は最長10年です。 任意加入する場合は、加入期間の合計が25年になるかどうか社会保険事務所で確認するようにしてください。

任意加入の年齢上限
さらに、任意加入の年齢には上限があり、保険料の増額は65歳、受給権の獲得は70歳までです。

65歳以降の任意加入
昭和40年4月1日以前生れの人なら65歳以上70歳未満の期間まで任意加入することができます。

国民年金保険料の過払いの返金
平成17年3月以前に国民年金に任意加入していた人で、満額(480月分)の老齢基礎年金を受給できる月数を超えて保険料を支払っていた方は、 超過月数分の保険料を返してもらうことができるようになりました。 平成20年5月から、社会保険事務所で保険料の返金手続きが始まります。

というのも、最近になって、満額の老齢基礎年金が支給される資格を得た後も、保険料を払い続けていた人がいることがわかったからです。

なぜこのようなことが起きたのかというと、国民年金の「任意加入」は加入するときもやめるときも、本人の申し出により手続きが行われていたからです。 しかし、平成17年4月からは、保険料を480月分支払うと国民年金の加入資格を喪失し、自動的に保険料支払が停止されるようになりました。 本人宛の保険料の納付書も送付されなくなります。

返金は、社会保険事務所に申出書を提出する必要があります。 また、国民年金の過払いかどうかについても、社会保険事務所で確認することができます。

<まとめ>
・60歳以降の任意加入制度・・・年金の加入期間が25年にたりないときや、年金額を増やしたいときに使える。


3、国民年金の保険料の免除

国民年金の免除には、法定免除、申請免除、学生納付特例制度、若年者納付猶予制度の4種類あります。 これから、順番に説明します。

(1)法定免除

1つ目は法定免除といって、生活保護法の生活扶助を受けている人や障害年金1級と2級の受給者の人たちが対象となります。 市区町村役場に届けることで保険料が全額免除されます。

(2)申請免除

申請免除の対象となるのは、所得が一定額以下の人、生活保護法の生活扶助以外の扶助を受けている人、 障害者の人、寡婦(夫のいない女性。また、夫を失った女性。未亡人のこと)で前年の所得が125万円以下の人、 失業などで保険料を納めることが難しい人たちです。

所得が一定額以下の人は、収入によって、全額、4分の3、半額、4分の1の4段階の免除を受けることになります。
<平成19年度の国民年金の保険料14,100円の場合>
・全額免除の保険料・・・0円
・4分の3免除の保険料・・・3,530円
・半額免除の保険料・・・7,050円
・4分の1免除の保険料・・・10,580円

配偶者や世帯主にも納付義務

本人とその配偶者、世帯主の所得によって免除の段階が変わってきます。 全額免除にならない場合、滞納すれば本人だけでなく配偶者や世帯主にも納付義務がうまれます(国民年金法第88条により)。

親が子どもの保険料を納付した場合、親自身が社会保険控除を受けられるので、親の所得税や住民税が軽くなります。

(3)学生納付特例制度

3つ目は学生納付特例制度といって、学生であれば夜間や通信教育課程の人も受けることができます。 免除の条件は、所得が118万円(収入の場合は195万円、また扶養親族がいれば免除金額が加算されます)以下のときは、 申請が通れば免除を受けることができます。ただし、年金受給資格期間には反映されますが年金額には反映されません。

障害基礎年金の受給資格

学生の納付特例を受けた期間は滞納期間にならないので、 もしケガや病気で障害の状態になった場合、障害基礎年金をもらうことができます。

(4)若年者納付猶予制度

4つ目は若年者納付猶予制度で、親と同居する20歳以上30歳未満の人も最長10年間の全額免除を受けることができます。 平成16年の年金法改正により、最近、増加しているニートやフリーターに対応する形でできた制度で平成17年4月から平成27年6月までの時限措置になります。 ただし、学生納付特例制度と同じで、猶予期間は年金額に反映されないので注意してください(受給資格期間には算入されます)。

納付猶予の収入要件(同居している親の収入は関係しません)

独身・・・前年所得が57万円以下
既婚者・・・前年所得が92万円以下

<まとめ>

国民年金の免除方法・・・法定免除、学生納付特例、若年者納付猶予制度、申請免除
申請免除は4種類・・・全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除

年金基金と付加保険料で年金を増やす

1、付加保険料で年金額を増やす

国民年金をふやす方法には、国民年金基金と付加保険料を支払うという2つの方法があります。 また、農業従事者であれば農業者年金基金に加入することもできます。

付加保険料とは
付加保険料は、国民年金の第1号被保険者が年金額を増やすために保険料に上乗せして支払うものです。 毎月たった400円を通常の保険料にプラスして支払うことで、老齢給付の部分を増額することができます。 これは、1階の年金である老齢基礎年金の上乗せ部分になります。

付加保険料によって、200円×(付加保険料の払い込み月数)が年毎に増額されることになります。 また、付加年金と付加保険料には、物価スライド制は適用されません。 つまり、年金額が物価下落などで下がったとしても影響を受けません。

付加年金は1月400円の保険料が、1月当たり200円の年金として計算されるので、 2年で元が取れるお得な年金になります。

第1号被保険者で付加保険料に加入できない人
年金の免除を受けている人、滞納している人、国民年金基金に加入している人は、 付加保険料を納付することはできません。

いつからでも付加保険料への加入できますし、止めることもできます。 付加保険料に加入した月数だけ受け取る年金額に加算されます。

60歳から65歳未満の任意加入被保険者の場合
年金をもらう権利がない人、あるいは年金額を増やしたい人は、60歳以降65歳未満の期間、国民年金に任意加入できますが、 そのときに同時に付加年金にも入ることができます。

ただし、65歳以上で年金をもらう権利がなく、国民年金に任意加入する人は入れません。

遺族基礎年金を受け取っている場合
65歳以降も18歳年度末の子どもがいて、遺族基礎年金を選択して受け取いっていれば、老齢基礎年金に上乗せされる付加年金はもらえません。

遺族厚生年金を受け取っている場合
遺族厚生年金を受給している65歳以降の方は、自分の老齢基礎年金と遺族厚生年金を受給することができます。 付加年金は老齢基礎年金に上乗せされる年金なので同時に受け取ることができます。

障害基礎年金をもらう場合
65歳までに障害基礎年金をもらうことになれば、障害基礎年金に付加年金は加算されません。

付加保険料の支払い例
(例1)付加保険料を20歳から60歳までの40年払った場合
・400円×12ヶ月×40年間=192,000円 ←支払い総額
・200円×48ヶ月=96,000円 ←毎年増額される付加年金

(例2)付加保険料を40歳から60歳までの20年払った場合
・400円×12ヶ月×20年間=96,000円 ←支払い総額
・200円×24ヶ月=48,000円 ←毎年増額される付加年金
つまり、付加保険料は年金を2年間もらえば元がとれることになります。

<まとめ>
・国民年金をふやす方法・・・国民年金基金、農業者年金基金、付加保険料のいずれかに加入する。


2、国民年金基金で将来の年金額を増額

国民年金基金制度は、自営業やフリーで働く人など国民年金の第1号被保険者のための、 上乗せとなる年金制度のことです。加入できるのも第一号被保険者だけです。

もともと、サラリーマンなどの第2号被保険者は、国民年金に上乗せして厚生年金にも加入していることになります。 そのため、第1号被保険者と比較すると、将来受け取る年金額が大きくなります。

その差を埋めるために出来たのが国民年金基金制度です。 国民年金を1階部分とすると、国民年金基金は2階部分になります。

国民年金の老齢年金(老齢基礎年金)に上乗せされたり、死亡のときに一時金(遺族一時金)が支給されます。 年金のタイプは口数制で、掛け金や給付額も自由に決めることができます。

掛金月額は、給付の型や加入口数、加入時の年齢や男女の違いによって決まります。 掛け金上限は月額68,000円です。 4月から翌年の3月までの1年分の掛金を前納すると、割引(0.1ヶ月分)を受けることができます。

ただし、保険料が免除されている人、付加保険料を支払っている人、農業者年金基金に加入している人は加入することができません。

国民年金基金には、地域型と職能型の2種類あります。 地域型と職能型のどちらか一方しか加入することができません。2つとも制度の中身は同じです。

地域型基金は同じ都道府県に住む者で組織され、各都道府県に1つ設立されます。 職能型基金は同業者(定められた職種25種類)で組織され全国に1つ設立されます。

国民年金基金への加入は任意ですが、脱退は任意ではないので注意してください。 会社員になるなど、国民年金の第1号被保険者でなくなった場合は脱退することになります。

また、国民年金基金の掛け金は全額、国民年金と同じように社会保険料控除の対象となります。

国民年金基金の資産規模はおよそ2兆円といわれています。
長期運用と分散投資によって、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、短期金融資産などに投資されています。 投資比率は以下のようになっています。

・国内債券:37%
・国内株式:28%
・外国債券:10%
・外国株式:25%
(但し、国内債券には為替ヘッジ付き外国債券12%を含む)
(参考:「為替王・資産運用相談Q&Aメルマガ2万部達成特別記念号」メルマガ)

<まとめ>
・国民年金基金・・・国民年金(第1号被保険者)の上乗せとなる年金制度。


3、農業者年金基金で将来の年金額を増額

農業者年金基金とは、国民年金に上乗せされる年金です。 60歳未満で農業に従事している国民年金の第一号被保険者の方ならだれでも加入できます。

ただし、保険料の免除を受けていたり、国民年金基金に加入している場合はできません。

農業者年金基金は、国民年金と違って加入も脱退も任意にできます。 そのため脱退一時金も支給されます。

基金は積み立て方式なので、保険料も一定の範囲内なら自由に設定することができます。 もし、政府支援対象者に認定されれば、保険料が大幅に軽くなることもあります。

<まとめ>
・農業者年金基金・・・国民年金に上乗せされる年金。

国民年金の保険料

1、国民年金の保険料は毎年値上げ!?

平成21年現在、国民年金の保険料は月額14,660円と収入に関係なく一定の金額になっています。 もし、生活が苦しくて国民年金の保険料を納めることが難しい人は保険料の免除を受けることができます。

国民年金がスタートしたのは1961年、そのときの保険料は100円でした。 その後、徐々に引き上げられ1975年には1,100円、1982年には5,220円、1994年には11,100円となりました。

国民年金の保険料の引き上げ予定表<平成18年度を基準とした数値>

西暦(平成) 保険料
200416.以前 13,300
2005(17) 13,580(前年より280円アップ)
2006(18) 13,860(前年より280円アップ)
2007(19) 14,140(前年より280円アップ)
2008(20) 14,420(前年より280円アップ)
2009(21) 14,700(前年より280円アップ)
2010(22) 14,980(前年より280円アップ)
2011(23) 15,260(前年より280円アップ)
2012(24) 15,540(前年より280円アップ)
2013(25) 15,820(前年より280円アップ)
2014(26) 16,100(前年より280円アップ)
2015(27) 16,380(前年より280円アップ)
2,016(28) 16,660(前年より280円アップ)
2017(29)以降 16,900(最後の年だけ前年より240円アップ)

国民年金の保険料は平成17年4月から徐々に引き上げられています。 毎年4月に280円ずつ引き上げられ、2015年に16,900円(×保険料改定率)になった時点で固定されます。 最後の年である2015年だけは240円引き上げられます。

<まとめ>
国民年金の保険料・・・平成22年4月から月額15,100円にアップ。2017年の16,900円まで段階的に引き上げられる予定です。


2、国民年金の保険料の引き上げ履歴

平成22年の保険料の引き上げ結果

平成22年度は月額15,100円となり、平成21年度の14,660円より440円引上げられます。 法律で規定されている金額の14,980円と比較すると120円高くなります。

・平成22年度の国民年金保険料改定率=1年前(平成21年度)の保険料改定率×2年前(平成20年度)の物価変動率×4年前(平成18年度)の実質賃金変動率
=14,980円(国年法87条3項)×0.997×1.014×0.997
=15,099円(15,100円)

平成19年の保険料の引き上げ結果

物価や賃金の伸びと照らし合わせた結果(平成17年度消費者物価変動率がマイナス0.3%)から、 その分に見合うかたちで280円から240円に引き上げにとどまりました。 その結果、保険料は月額14,100円となります。

平成18年の保険料の引き上げ結果

平成18年度以降の実際の保険料の引き上げ額は、物価や賃金の伸び率を乗じた額になります。 平成18年は伸び率が1だったので280円がそのままプラスされた金額13,860円になりました。

<まとめ>
平成22年の国民年金の保険料・・・15,100円


3、国民年金の保険料の支払い方法あれこれ

国民年金の保険料は、社会保険事務所や市や区、町村の役場で直接払うか、振込み、口座振替、インターネット、コンビニなどから支払うこともできます。 毎月の保険料は、翌月の末日が納付期限になります。 現金や口座振替で払うと、前納割引制度を受けることができます。

保険料の支払いを忘れた場合は、2年間なら遡ることができます。 本人が保険料を支払うのが原則ですが、本人が滞納した場合、世帯主や配偶者にも被保険者の納付義務がついてくるので注意が必要です。

クレジットカードでの支払いOKに

厚生労働省では、2008年2月1日より国民年金の保険料をクレジットカードで払えるように改定しています。各社会保険事務所で申込み受付中、3月分の保険料からクレジット払いが可能となっています。

国民年金保険料の納付率は2005年度で67.1%、3人に1人が払っていない状況です。 2006年度の納付目標は74.5%ですが、2006年12月末時点で64.2%と低迷しています。

そこで、ポイントが貯まるため若者などを中心に人気が高いクレジットカード払いを認めれば、国民年金の納付率がアップするのではないかと考えられています。

政府の公金決済では初めての試みで、今後、地方税などにもクレジットカード払いが広がる可能性があります。

対象となる保険料・・・「定額保険料」と「付加保険料込みの定額保険料」
納付方法・・・毎月納付(当月末納付)、半年前納、1年前納から選択。
納付額・・・現金納付した場合と同額、半年前納と1年前納は割引された金額。

<まとめ>
国民年金の支払い方法・・・社会保険事務所や市区町村役場で直接払う、振込み、口座振替、インターネット、コンビニ、クレジットなど。


4、国民年金の前納割引制度

前納割引制度には、1年度分または6ヶ月分を現金や口座振替で一括で払う方法と、毎月の保険料を口座振替で早く納める方法があります。

現金払いと口座振替
平成22年度の保険料を現金で前納すると、年間の保険料が181,200円(15,100円×12ヶ月)から177,980円へと3,220円安くなります。 さらに、口座振替で前納すると割引額が580円アップして3,800円安くなり、177,400円になります。

6ヶ月分の前納なら、現金なら740円の割引、年間は倍の1,480円(740円×2回)の割引になります。 さらに、口座振替で前納すると割引額が290円アップして1,030円の割引、年間は倍の2,060円(1,030円×2回)の割引になります。

また、任意の月分から年度末までの分を前納することもできます。 この場合は専用の納付書を社会保険事務所でもらってください。 納付書は、4月上旬に発送されます。

口座振替の締め切り
口座振替での平成22年度1年前納と6ヶ月前納(4月?9月分)の締切は2月末日です。 一部の社会保険事務所では3月上旬まで受付けているところもあります。 くわしいことは社会保険事務所に問い合わせてください。

すでに口座振替を使って前納している人は、再度、申込みする必要はありません。 ただし、口座振替の引落方法を変更する場合は、申し込みが必要になります。

口座振替(早割の場合)
毎月の保険料を納付期限よりも1ヶ月早く払うことを早割といいます。保険料が月額で50円、年間で600円安くなります。 当月の保険料を当月末に引落しすることになります。 ただし、現金払いでは1ヶ月早く納付しても割引が適用されません。

この早割制度は平成17年4月に始まった制度で、すでに口座振替の方も早割に変更するための申し込みが必要になります。 また、早割での口座振替が開始されるまでには2ヶ月程かかります。

口座振替の申し込み方法
金融機関や社会保険事務所の窓口に申込用紙がおいてあります。 また社会保険庁のホームページから申込用紙を印刷することもできます。白黒でもOKです。 申込用紙には、基礎年金番号と金融機関届出印の押印が必要となります。 基礎年金番号は、年金手帳や納付書でわかります。

<まとめ>
前納割引制度・・・現金や口座振替で1年度分または6ヶ月分を前納すること保険料の割引が受けられること。
口座振替の早割・・・毎月の保険料を納付期限よりも1ヶ月早く払うことで月額50円年間600円安くなること。


5、税金を減らせる社会保険料控除

国民年金などの社会保険料は、全額所得控除されます。 ただし、国民年金の場合、所得税法等の一部を改正する法律が平成17年3月31日に公布されたことで、 納付したことを証明する書類を、確定申告か年末調整のときに添付しなければなりません。

国民年金の保険料を納めた人には、社会保険庁から生命保険会社が発行する控除証明書と同じような形式の「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が郵送されてきます。 (詳細:年金の税金は?(公的年金の解説))

<まとめ>
・国民年金保険料・・・社会保険料控除の対象となる。

国民年金の基礎知識

1、国民年金の加入者は3種類

国民年金には、日本に在住している20歳以上60歳未満の人は、学生や主婦、外国人の方もふくめて全員加入しないといけないことになっています。

また、日本に住んでいる60歳以上65歳未満の人、海外に住んでいる20歳以上65歳未満の日本人は任意加入することができます。 たとえば、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない場合や満たしていても満額の年金を受けることができないときなどです。

さらに、昭和40年4月1日以前に生まれた人が老齢基礎年金の受給資格期間を満たしてない場合は、65歳以上70歳未満まで任意に加入できます。

受給資格期間とは、年金を受給するために必要な期間のことで原則25年必要です。 受給資格期間には、年金(国民年金、厚生年金、共済年金)に加入していた期間、 国民年金の免除期間(法定免除と申請免除)、 60歳未満の任意加入できるけどしなかったカラ期間、 学生納付特例、若年者納付猶予制度による免除期間などがふくまれます。

国民年金の加入者(”被保険者”という)は3種類あります。

被保険者と対象
第1号被保険者
・自営業者、農業、漁業に従事している人
・20歳以上の学生
・自由業、フリーター、家事手伝い
・主婦(定年退職者の奥さんで60歳以下の方)
・弁護士などの士業の人や開業医
・国会議員

第2号被保険者
・サラリーマン(20歳未満の方も支払う)
・公務員(20歳未満の方も支払う)

第3号被保険者
・第2号被保険者の奥さん(被扶養配偶者)

現在の年金制度は3階建て構造になっています。第2号被保険者であるサラリーマンは厚生年金、 公務員は共済年金に加入していると同時に、1階部分にあたる国民年金にも加入していることになるのです。

給与明細書の社会保険料控除欄には、厚生年金保険料しか引かれていないため、自分が国民年金にも入っていることを意識していない方が多いようです。

国民年金は、1階部分にあたるので基礎年金といいます。この上に、2階部分として厚生年金や共済年金が上乗せされます。 だから、サラリーマンや公務員の方は自営業者の方に比べてより厚い保障を受けることができるのです。 さらに、会社によっては3階部分として厚生年金基金があります。

<まとめ>

国民年金の加入者・・・第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3種類あります。


2、国民年金への加入手続き

国民年金への加入時期は、国民年金の加入者の種類によって変わります。 国民年金の加入者には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3種類があります。

第1号被保険者の場合

国民年金の第1号被保険者の加入時期は、20歳の誕生日の前日、外国人が日本に住んだとき(1ヶ月単位の加入、年間何日以上などの決まりはありません)、 帰国子女が日本に戻ってきたとき、その他法律で適用除外とされていた人がそうでなくなったときなどがあります。

第2号被保険者の場合

20歳以下の人も、会社に入ったり公務員になったりして第2号被保険者になった場合は、年金に加入しなければなりません。 また、60歳未満で退職したときは、第2号被保険者から第1号被保険者に種別が変わります。

<まとめ>

国民年金への加入時期・・・被保険者の種類によって違ってきます。
第1号被保険者の加入時期・・・20歳の誕生日の前日、帰国子女が日本に戻ったとき。
第2号被保険者の加入時期・・・会社員や公務員として勤めたとき。20歳以下もふくみます。
第3号被保険者の加入時期・・・第2号被保険者の被扶養者になったとき。


3、会社を辞めたら国民年金の変更手続き

ここでは、第2号被保険者(厚生年金)から第1号被保険者(国民年金)へ変わるケースについて説明します。

会社を辞めて無職になったり、自由業や自営業をはじめるときは、 退職した日の翌日から14日以内に、自分の住所のある役場や市役所で、 第2号被保険者から第1号被保険者(第2号被保険者の扶養者の場合は第3号被保険者)への変更手続きを行う必要があります。

国民年金の担当窓口に行き、「国民年金被保険者種別変更届」と年金手帳(基礎年金番号通知書)、厚生年金保険資格喪失証明書を一緒に提出します。

種別変更の手続きを忘れると、年金額が減ったり、年金があたらなくなったりすることがあるので気をつけてください。 もし、都合がつかず14日過ぎてしまった場合でも、被保険者の変更手続きはできます。

年金の加入期間(資格取得日と資格喪失日)とは?

公的年金では、被保険者資格を取得した月から資格を喪失した月の前月までと月単位で加入期間が計算されます。 厚生年金の場合、資格取得日とは会社に就職した日であり、資格喪失日とは、会社を退職した日の翌日になります。

つまり、月の末日と末日以外で退職した場合では、加入期間が1ヶ月違ってしまうことがあります。 (参考:退職日と厚生年金の被保険者期間)

保険料支払いの時効とは?

また、保険料を払いたくないと思って手続きを先延ばしにしていると、2年で保険料支払いの時効がきてしまいます。 時効になれば、それ以降は保険料を払いたくても払えなくなり、その期間は保険料滞納期間となってしまいます。 そして、実際の保険料を受け取るときに金額が減るなどの不利益がおこることになります。

<まとめ>

国民年金への種別変更・・・会社(第2号被保険者)を辞めたときに行ないます。